第49話

「聞こえてんの?」


「ひゃ」


去っていく百目鬼さんの背中を見送っていると耳元で囁かれ飛び上がる。


右耳を押さえて見上げると、間近で真剣な表情と目が合って心臓まで飛び跳ねた。ち、ちか…!

不意打ち…!



折り曲げていた身体を戻してさっきまでの外面を解いた男は何を考えているのか今度は視線を外して沈黙を作った。



「5分後」


「はい?」


「迎えに来い」



「どこに…」


「お・れ・さ・ま・の・席に決まってんだろ」



今度は頭頂部をUFOキャッチャー宛ら鷲掴みされて引っ張られ、いたたたたっと声を上げた、


「返事は」



「ハッハイィ…! 迎えに行かせてイタダキマス!」


「チッ」



は、はぁ〜〜〜〜!!?




何が不満だ後輩先生よぉ!!!!

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