第45話
甘ぁい瞳。なのに背筋を冷たい指の腹で撫でられたみたいな感覚が走る。
分かり易く云うと、ゾッとした。
違う意味に聞こえる…。
顔というか、瞳だ。瞳がダメなやつだ。
「今しているのでお構いなく!」
流されないよう張り切って言うと、花山院さんは寝起きとは思えない緩ませた表情のまま口を開く。
「七万」
「はい?」
「さて問題です。この七万は一体何の七万でしょう」
問われた瞬間私の中でチッチッチッチ…とタイマーが秒針を刻み始めた。
恐らく、初めて。
聞くなとかでなくちゃんとした問い掛けをされて自分の中の好奇心が疼いた。
「はい終了ー」
「え!?」
クイズやる気あったのか、ニヤリとした花山院さんは包まっていた布団を剥いで私の腰を引き寄せ胸元に顔を埋めた。
「ギャアア!!」
電気ショックが走ったように背筋を沿って回された腕を握り抵抗するも、ガッチリ捕まえられていて脱力してしまう方が早かった。
「ほんっと朝からうるせぇな…おまえの方が俺がベッド入った瞬間真っ先に抱きついて来やがったぞ」
「嘘いわないでください!!」
再び抵抗を開始する。私だって朝からこんな体力費いたくない。体格差がエグいのだ。
「あー柔らけぇ。快適快適」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます