第16話

イクヤはぐっと噛み締めたらしい唇を解いて、溜め息を零した。




「どうやったら信じてもらえるかな」




「あ?何?」


だから声が小さくて聞こえねぇっつうの。





「……こそでちゃんがしてるその黒いピアス」



「?」



「そのイメージモデルの人判る?ポスターとか写ってる」



「いめーじもでる?」



「うん。商品とイメージの合う人がやるの」




ウチは眉間に皺寄せて思い出し、何となく頷いた。




「あといつも食べてる…帰りコンビニ寄ったりするとき絶対買うって言ってたお菓子」



「激辛丸?」



「うん激辛丸。CM観たことある?」




「あぁ、まぁ。それならあるわ。何かあのー、あれだろ?ドSっぽいキャラで売ってる、めっちゃ人気のアイ――――ド、ル……、…え?」







ウチはずっと手にしていた置き傘を地面に落とした。

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