第11話
するとその時、玄関の方で音がした。
鍵の開く音だ。
飛び付くようにして耳を立てたウチは、走って玄関の方へ戻る。
前に立ち、じっと玄関の鍵のところを見つめるとゆっくりとドアは開かれ、隙間から恐ろしい顔をしたイクヤが覗いた。
その時までウチは忘れていた。
イクヤは大好きなアニメ観賞を邪魔されるのが大嫌いだった。
「帰ってくれないかな」
「!」
開口一番そう言われる。
何だよ、ウチが悪いのか?
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