第8話
帰り。
靴箱に入ってた折りたたみ傘を持ってイクヤの家に寄ってみた。
霧雨が降っていたけど、傘は差さなかった。
付き合う前。
何故か知らないけど一緒に帰ることになって、ウチを送ることもしないイクヤが帰って行った家だ。
送るとか。
今でもしねーけど。
てかイクヤがそんなことしたら逆にキモいな。
トリハダ立つわ。
「あーあほらし」
何やってんだか。
そう思って元来た道を振り返った。
けど、振り返った先。今来た道に出来ていた水溜りに雨が落ちているのを見たら、何かまた腹立ってきた。
ウチは来る道ではその水溜りに気付かなかったことも覚えずチャイムを押す、
返事は、なかった。
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