第7話

結局イクヤは発言通り、見事にウチのクラスのホームルームが終わるのも待たずに学校を去った。



ウチの窓際の席から、イクヤが校門に向かって走っていくのが見えて。



何か単純に悔しかった。




ホームルームが終わり下駄箱に向かうと、ウチの下駄箱には見知らぬ蒼い折りたたみ傘が入っていて。


その傘には名前とか書いてなかったけど、へし折ってやろうかと思った。



何か知らないけど腹が立って腹が立って。






「こそでちゃん」





その呼び名に、肩を揺らして振り返ったけど。



同じクラスの男子に気まぐれに「じゃーね」と言われただけで。




「じゃーな」



そう返す時には顔が曇った。




「どうかした?」



「いや、別に何も」



「何かあった?彼氏と」





そうだ。




ウチら恋人ってやつじゃないのか。



ちがうのか?




ウチが、知らない内に意味を履き違えてる?

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