第4話

***




「ケッ」



ウチは悪態をつき、わざとらしくイクヤの机の脚を蹴って座り直した。イクヤはボケッとした目でウチを見上げていたけど、唾吐かないだけましだっつーの。


つうか前髪で目見えねぇし。



「『来てたんだ』って何だよ。ふざけんな」



「…ごめん」




あー苛々する。謝るならすんな。誰もアンタに謝ってほしいなんて言ってねぇだろーが。



「で、何。またそれ見てんの」



ウチはさっきからイクヤが手にしたままだったアニメだか何だかの雑誌を取り上げた。それを目にして真っ先に声を上げる。



「あ!!」


「え」



「こいつの声?啓くんがやってんじゃん!!へー!」

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