第3話
「イクヤー」
春。俗にいう転勤族というやつな俺には、あまり友人がいない。友人はいないけど、家へ帰ればアニメや漫画が俺を癒してくれる。
「イクヤー。あ、これ今13回目だからね。13日のフライデーくるよ?」
今日は月曜日だ。夕方からアニメがあるけど、予報では夕方から雨になっていた。嫌だな。走って帰ろうか、汗もかかないだろうし。録画は一応してあるけど、リアタイでも観たい。譲れない。
「イクヤー。はいこれ今何回目だと思う?うんまだ14回目。でも4って不吉だからね。めっちゃ不吉だからね。多分アンタの靴箱の靴、帰りにガビョー刺さってるから見てみ?」
革靴履いて来なくて良かった。走り難いから。今日、メルちゃんの天使日だし…どうしても間に合わせたい。
「オイっつってんだろイクヤァ!!アンタどんだけ無視すれば気が済むんだよ!!?」
「…あ、ごめん。考え事してて……来てたんだ」
教室、一番後ろの窓際。
うちのクラスでは、人気の高いこの席、俺みたいに授業中いかにも"居眠りしなさそうな"人間が座ることになっているらしい。暗黙の了解というやつ。
その前の席に座って身体をこっちに向けていた人が立ち上がって俺の机を叩き、我に返った。
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