第25話
「き、」
「…?」
「――…好き、です」
途端に周りは騒ぎ出す。
人生の中で、こんなに緊張したことはなかった。
今、後悔したとか、考える余裕もない。
手には凄い汗だし。
心臓だって、気持ち悪いくらい。
でも、言うしかなかったんだ。
今がいいって、そう思ったんだ。
…早く、何か言ってほしい。
「…。何か言っ…」
あたしは真っ赤な顔で彼を見る。
「何?」
「何って…だから好「な、」
「……?」
全く、読めない。
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