さぁ、戦いだ

敵意の反対

第18話

昼休み。





こっちでは。



「「真実王子いいいいいいーーー!!!」」


「…はは」


「「イヤ~ン、爽やか!!!」」




あっちでは。



「「健王子いいいいいいーーー!!!」」


「んー」


「「ぐはぁッ、小悪魔!!!」」





…コレ、どうなってんの。



皆どうしたの。




「いや、まさかこんなに真実に隠れファンがいるとは…」


同じ机で一緒にお弁当を食べながらやや冷や汗をかく嵐。



「なんかごめん…。嵐まで迷惑かけてるよね」


「こんなの慣れっこよ」



そう言って親指を天井に向けグッと力を込める嵐。

ほんと、良い親友。




昔からこう。



電車で痴漢にあった女の子を助けると、必ずメアドを教えてくれと言われるあたし。


少し高価そうな落し物を拾って届けると、それあげるからその代わりに付き合って、なんて言われたこともある。



そんなことを言われて戸惑うあたしの前に来て、いつも「悪いけど、この子あたしの大事な親友なの」なんて言って助けてくれた。



それでもしつこい人もいて、本当の彼氏が「お前が俺の女を取った」と学校まで来る人だっていた。




正直、怖かった。


辛かった。



でも、背が高くて可愛い顔をしてるからだって、自分が男だったらあたしが守ってあげるし、だなんて。


そんなこと言って、いつも慰めてくれるんだよね。









「それで、話って?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る