第17話

「ええ!?」





――その学園新聞の内容は、こうだった。




【爽やか王子vs小悪魔王子】



その下に、あたしのニコニコ顔。


それと、高橋くんのさっきのムスッとした顔。



二人の写真の間には【vs】の文字。





「うわ!新聞部、印刷早っ」


そう驚く隣の嵐にも、確かにと頷いてしまう。



「正反対、ねえ」



嵐は何故か、忙しくなりそうと楽しそうにニヤついた。



「まあ私は断然真実だけど」


そう言いつつ人差し指であたしの頬を突っつく。


「いやー、ぷにぷに」




…酔っ払ってんのかな?


新聞の下の方には、いきなり人気が急上昇した高橋くんのことがズラッと記事にされていた。



そりゃそうだ。


あたしも同じく、びっくりした。

あんなに冴えない感じの子がまさかあんな素顔だったなんて、皆びっくりするよね。


友達でもびっくりしちゃうだろう。





――と、まあ、あたし達がそんな軽い気持ちで見ていた学園新聞を。


まさか読んで満足そうに口角をクス、と上げた人がいたなんて、ね?




「――くん、どうしたの?」


「…別に?」

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