第15話

背が高いから、遠くからでもよく見えるわけで。



周りで騒ぐ女子とは対照的にむー、と顰めた顔。


でも。



「はは」



なんか、子犬みたいでおかしい。




「ま、真実…?」


おーい、と目の前で手をヒラヒラさせてみせる嵐。



「ん?」


嵐に返事しつつ、思わず笑ったままで視線の先を変えずにいた。




「!」



すると、高橋くんと目が合った。



そうしたら彼は、ニコ…とまたあの笑顔を見せた。




天使、みたい。



でももう少し賢く例えるのならば、餌を見つけた“子犬”みたい、に…。




「あれ、真実見て笑ってるよ?あの人。知り合い?」





ドキ



う…。


なんだこれ。

また胸やけみたいのが……。





「「き、きゃああああああ!!!!」」





って。

高橋くんがウインクしたせいで、周囲がまた湧き上がった。



笑顔に続けてそれを見た女子は次々に倒れていく。




…そんな馬鹿な!





「おお、色っぽいね」


そんな感心の声をあげる嵐。



確かに。

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