第13話

少し首を傾けてニコ…、と笑う彼の笑顔。



甘い、甘い笑顔に。


こ、腰が抜けるかと思った――…!





「…名前」


「あ、あたし?2年A組の桜木です」



「それは知ってる」



「え?」


クス、と笑う彼に疑問符を浮かべるあたし。




「俺も2年A組。高橋健」




「…。え、って、嘘!A組って、一緒!?」




コク、と首を縦に振った…高橋、くん。



うわー!

あたし、超失礼!



あ、だから会ったことあると思ったんだ!




「ホント、色々ゴメンナサイ…」



「うん、許さない」


「……」



あれ?今何と?




「まあ、明日からよろしくね。真実」




初めて呼ばれた名前。



あの、甘い声に。





ちゅ



「…。っえ!?」





ガラガラ、ピシャンッ





「…、??」





魔王の口づけで。



甘い熱をもった頬に――…。





彼女はそ…っと、





触れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る