第18話
それを見て顔を上げたあたしに気付いて、微笑むハル。
何で笑って…。
あたしは、ドタキャンされたって怒られても何も言えないのに。
「…っ」
「何で泣きそうな顔してんだ」
ハルは困った顔をして、そのあと優しい顔で、ふと微笑んだ。
「だって…っ」
「めぐとのクリスマスはこれからもずっとあるから、今年は我慢してやるって言いたいの。これでいい?」
「……ん…?」
あたしは恐る恐る、ハルの顔色を窺った。
ハルは「?」と微笑んだ。
…悩殺スマイルで。
こ、ここここれは。
意識しないで言われた…!?
それはそれでドキッとするんだけど…。
“意識しないで”っていうのは。
「……。じゃあ、俺帰る」
「あ、う、うん…ありがとう…。……玄関から出てってね?」
普通に窓へ向かったハルに、あたしは静かに言った。
あたしはベッドの上に並べられた、ハルが残していった沢山の想いが込められた“プレゼント”に目をやって囁く。
「サンタさんはきっといるんだね、ハル」
――一方。
カチャ
めぐの部屋から出て、扉に背を付けたハル。
「……っ俺、何口走った…」
腕で顔を隠しても、見える耳と首まで真っ赤。
「~~っ」
Fin.
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