第2話

もしかして、あたしとハル、カップルに見えたりするかな!?どわー!そうだったらどうしましょう!


なんて、ちょっと少女マンガチックに考えてみたりもしてしまう。



席に着くと、あたしは何気なくプレートにいつも敷いてあるチラシに視線を下ろした。


「おお、この人イケメンさん!」


そう言って、親友とキャッキャするノリでハルに視線を移す。



「…は?」



ハルもあたしが見たチラシを見る。


そして、何故か眉を顰めた。



あれ?



別に自分以外が言われるのは怒らなかったよね…?




「ハル?」


「…どうでもいい」

ハルはムスッとしてそっぽを向いてしまった。



な、なんだ…?

よく分からないけどなんか…、拗ねてる…?

もしや、自分以外が言われるのもちょっと嫌だとか?



「…?」



「……。めぐ、俺のどっち?」


恐らく拗ねているハルが、チラ、とあたしの方を見て、二つの飲み物を指して言った。


「あー…こっち、かな?」


あたしはハルの様子を窺いつつ、その右側を渡した。





ゴク



「くしゅんっ」





――…ん?



飲み物に口をつけたハルが急にくしゃみをした。

ハルのくしゃみ、可愛い――…じゃなくて!


やば、もしかして…!!




「めぐ!!!」


ハルは咄嗟にあたしを睨みつけた。



「、」

あたしはビク、と肩を揺らす。



「俺が炭酸飲めねえって知ってた?」


「う、ん…」




――そう。


ハルは、炭酸が大の苦手。



絶対に飲まない。




「ご、ごめんなさ…」


「最悪」



…!



「なっ…そんなことで何もそこまで怒んなくても!」


「…そんなこと?」


ハルは更にムッとしてあたしを見た。


「だって…そんなことじゃん…そうやってすぐムキになって…!」

あたしは小さく言葉を紡ぐ。


「ハルの馬鹿!」



「なっ…!馬鹿って言う方が馬鹿だろ!」

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