第4話

「だからなに」



"彼女"の方とは反対方向の壁側を向いたまま声を出せば、まだ寝起きの掠れたそれだということに気付く。


"彼女"は何も言わない。


黙っている。



「……足。やめろ」



避けることはしないが、いまだに自分の足首に当てられたままの冷たい指先を注意する。



「……ね、私が日が昇る前に必ず目が覚めちゃうの、なんでなのかな」


「……」



その言葉に見たくない夢を予感する俺はゆっくりと振り返った。



そうして俺の真っ黒な黒目と合う眸は、何の因果だと言うのか、濁り――紅い。



「リム、」

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