第43話
そうだとしても、海鮮料理。あたしのイメージでは河豚とか食べているということになっているので和食。
和食でお肉って。
今しゃぶしゃぶくらいしか思いつかない。
『沙織、さおり。別に肉じゃなくたっていい。そんなに、気に病むな。』
あ。
らいおんさん、心配してくれてるんだ。
きっと。
凄く不器用だけど。これは、気を遣ってくれているというより、あたしが悩んでいるんじゃないかって。
ちょっとだけ、そんな風に見えたから思わず笑みが零れる。
『ハンバーグは、』
『は、はんばーぐ……!』
びく、と思わず肩を震わせるほどに彼は、前のめりになって表情を寄せ、名前を繰り返した。
『さおり、作って欲しい!』
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