第18話

黒の気配のない金色の髪。


色が抜け落ちたように、何処かの反射を一身に受けている。



それでも影を作る目元でこちらを見ている眸は、言葉にしてしまうのが惜しいほど綺麗な色をしていた。




これは、朱じゃない。



碧、でもない。




緑でも、黄でもない。





まるで、泣いたあとに魅せる、ひとの眸。






笑顔からじゃきっと生まれない。




哀しみを乗り越えないと。



乗り越えようとしないと。





覗くことのできない、そういう眸。

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