第17話

それを見つめて目を細めた矢先、



背後から低い声が響いた。






「…………え、」





静かに振り返って、声の先を自分の目で確かめる。




でも、振り返るだけじゃ足りなかった。



障子の最上に手を掛けて、覗き込むように首を垂らすほど、大きい背丈。




「!?」




声も出ず、ただ目を見開いて仰け反り見上げるしか出来なかった。



そういう反応でしか対応できなかった。





「……喋れるか?」







ーー低く、唸るように静かで、



寂しい、声。

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