第15話

絆創膏、頂けるかな?

どういう雇い主かぜんぜん知らないけれども。


きっとへいき、

人間には誰しも情ってものがあるんだもんね。




左手を胸の前で持ち上げながら、大分軽くなったと思われる足取りで長い廊下の先を急ぐ。




古風で長いそれの先は壁になっているのが見えるけど、今の部屋もそうだったように、多分ある部屋全部が和室。


目にする部屋は障子入口のものが殆どで、さっきのライオンとであった部屋のように木のドアになっている部屋の方が珍しいみたいだった。



故に、あそこ以外のドア部屋は目にしない。

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