ようやく触れた あなたの頬は まだ温かくて なのに冷たくて

「別離」


ようやく触れた あなたの頬は

 まだ温かくて なのに冷たくて


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あなたが私をじっと見てる

私だけを見てくれている

触れればそこが燃え上がるように

痺れるような熱を持つ

あなたの瞳を覗き見る

あなたも私を見つめ返す

その視線の先には

私の姿なんてなくても

今のあなたは私の手の中だ

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いつかは来ると知っていた

それがさほど遠くないことも

それでもその時はあともう少し

もう少し先だって信じてた


連絡を受けてあなたの下に向かうと

傍らにはあなたの妹が立っていた

彼女は無言で横にずれると

そこにはベットに眠る彼の横顔があった


ふっくらとした頬は見る影もなく

窪みが影を作り出してる

頬に触れるとお団子のようだったあなたの肌は

ヤスリのようにざらついていた


触れた頬はまだ温かかった

声をかければ名を呼んでくれる

そんな気がしてあなたの名を呼ぶ


あなたの唇がそっと動いて

私の名前を息と共に吐き出した


気がした


そんな事実を受け入れたくなくて

私はあなたの唇に口づけをする


柔らかかったはずの唇が

私の唇を少し傷つけた

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