第2話
ここどこ?と思っていた数年前。
奴隷の子供として転生した様だ。
母も父も奴隷だ。父は母を犯して妊娠させた様だ。
俺が生まれる前に父は処分された様だ。
母は産みたいと望み、名前もタダヒトにして欲しいと言ったらしい、前世と同じ名前だ。
なぜだろう?
母はその後、産後の状態が悪く、俺を産んで、間も無く亡くなったらしい。
悲しい話だ。
そしてこの世界に生まれて七年がたった
奴隷か〜奴隷だ〜奴隷だね〜。
どうせなら王侯貴族の家に生まれたかった!
ここはアーレフ王国のヴァサナ街のデキド商会の奴隷商館である。
この世界は奴隷制度が認められている。
奴隷には体に奴隷紋という物が魔法によって付けられている。
もちろん俺にも付けられている。
買い主には逆らえなくなるのだ。
逆らったら奴隷紋の力で死んでしまうらしい。
恐ろしい話だ。
それから子供の奴隷は特に男の子は売れない。
即、労働力にならないからだ。
女の子はそこそこ需要がある様だ。
しかし幼女や男の子は一部の金持ち変質者にしか売れない様だ。
そこでここでは子供の奴隷は読み書きと簡単な計算など教えて奴隷の品質向上に努めている。
この世界では読み書き計算は裕福層や商人の見習いぐらいしか出来ない。
それを奴隷の内に教えて奴隷の価格も上げる。
もちろん俺も例外ではない。
しかし!体は子供!心はおっさん!である俺は読み書き計算などすぐこなしてしまったのだ!
文字は五十字ほど計算は簡単な足し算引き算だけ、俺は義務教育、受け取るんじゃー、と心の中で叫んだ一年前。
天才奴隷少年現わるとちょとした騒ぎになった。
そして売り物の奴隷からデキド商会の奴隷になった。
どっちみち奴隷だが基本的に売られる事は無くなった。
商会の主人であるデキドに気に入られた様だ。
とっいっても奴隷は奴隷。
他の奴隷と同じく食事はほとんど味のしない薄いスープに石の様に硬いパン、たまに虫?の素揚げがでる粗末な物。
日本が懐かしい。
米が食いたい!
すき焼きが食べたい!
コーラが飲みたい!
俺は基本的に子供奴隷の担当の奴隷をやっている。
奴隷だが他の働いている人と同じ立場だ。
報酬は貰えないけど。
奴隷もさまざまだ。
犯罪を犯し奴隷になる者、借金などで身を持ちくずし奴隷になる者、または家族から口減らしという事で売られてくる子供などなど。
また奴隷商人から売られてくる者いる。
デキド商会の奴隷部門は比較的、良い待遇の様だ。
他の奴隷商人はもっときついらしい。
デキド商会はヴァサナ街を中心に宿屋から穀物問屋、武器屋、雑貨屋、各地への行商などさまざま商いを行う大商会だ。
ここヴァサナ街のある土地はローレン侯爵が治める領地にある。
一応、領地の二番目の街という事になってはいるが、一番目の領都より大きな街らしい。
しかもデキドは準男爵で、この街の統治を任されている。
デキドは行商人の子として生まれ、行商の途中に盗賊に襲われ両親を亡くし両親の行商人仲間に引き取られ、そして自分の小さい馬車と馬を手に入れ、今の大商人にまで成り上がった人物である。
豪商デキド、髭を蓄えた怖い顔をしている。
この世界は十数各国の大国を中心に治められている。
ほかにも国は何十各国の中小規模の国がある。
そしてこの世界では言語と貨幣を統一したのだ。
五千年程前に決めたらしい。
いろいろ当時は揉めた様だが。
一部を除き合意して今現在にいたる。
お金は硬貨だ。紙幣はない。
一番安い硬貨から銭貨、鉄貨、真鍮貨、小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨、銀貨、大銀貨、小金貨、金貨、大金貨、となる。
平民が大金貨を目にする機会はまぁないらしい。
金貨一枚でそれなりな大家族が街で一ヶ月以上、不自由無く暮らせるぐらいだという。
あと、やはり紙幣がないのは不便だ。
俺は金を使った事も持った事もない。
七歳で働いている。
実は五歳ぐらいから働かされいる。
奴隷だからね。
そして、まぁ俺はタダ働きだけどね。
悲しいね。
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