「っ、!?」
コワーーーー!!
何ちゅう脅しを、ばか、この野郎っ!…と、心の中でツッコむ。
「じゃァまぁ…あたしも着替えなきゃだから自分の部屋行ってくるわ……ぁ、本当にシャワー浴びなくていーの? 浴びたかったら遠慮せず勝手に入って来ていいから。1階な」
「竹永さんが浴びるなら浴びさせていただきます」
「いやあたしは髪長いし時間掛かるから後ででいーよ」
「…僕が洗って乾かしましょうか」
「えぇ?」
どういう意味?
一瞬考えようとした目先、濡れた黒髪から水を滴らせる松方に何故か背筋が震えて考える事を放棄。
正解だったと思う。
そのまま部屋を出て、静かにドアを閉めた。
自分の部屋に入って数秒後、廊下から軋む音がして松方が着替え終えたことを察知、あたしもいそいそと着替えた。
恐いことに、着替え終えたと同時にノックされ、まさか隙間から見てたりしないよなと目をギョロギョロさせながら振り返りドアに近付いた。
「竹永さん」
ドアを挟んだ呼び掛け。あたしはドアに隙間がないか確認中だ。
「…竹永さん?」
っていうかこの後どうしよう。何年もやってないゲームでも引っ張り出すか?—悩んだ瞬間、勢いよくドアが開いて危うく叩きつけられそうになった。
「わー!?」
「…っびっくりした…」
「いやいやこっちの台詞よ!?」
「気配があるのに応答がなかったので…声が出せない状況にでもなったのかと。すみません」
そんな大袈裟な。
「可愛い」
「はい?」
胸を撫で下ろしたのとほぼ同時に、上から訳のわからん台詞が続いて降ってきて白目を剥いた。
「部屋着ですか?」
「え? あ、はい…」
可愛い要素などない、何なら殆ど今松方に着させているスウェットの色違いってだけだ。
あたしがベージュ。
それより松方の方が…なんか…見慣れないスウェット姿……
エロいな?
何で?
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