第19話
誰もいないと信じ込んでいたが、間違いだった。
「“ぎゃあ”って」
無表情のまま、ふ、と口元を緩ませる仕草をするのは松方くらいだ。
「ご、めん」
あたしは、驚いたことよりも先に半裸状態だった松方から目を逸らして詫びた。
「え。…ああ」
特に気付いてもいなかったのか、制服のシャツを脱ぎかけていた松方は低く声を発して再びロッカーに手を入れた。
「着替え終わったら言って」
「お構いなく」
「そういうわけにはいかないから」
「もう見たのにですか?」
「、」
あたしは、突然上から来るようなこの後輩の声に、ぐ、と声を詰まらせた。
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