第16話
それから数日。
何も変わらず至って普通に過ごしていた。
特に変わることもないんだけれど。
しかし、あたしは或る日の夕勤終わりに副店長に残るように言われて、皆が帰った後一人、事務所で待っていた。
副店長は瑞樹さん(下の名)と言って、外見からしてもまだ大分若いと思われる。店で見掛けるときはいつもキッチンの制服を着ていて、それがこの人の為に作られたんじゃないかと思うくらい様になっている。
特に考える課題もないので、あたしはただぼうっと椅子に腰掛けていたが、ドアの開かれる音に反応して立ち上がった。
「ごめん、待たせた」
「いえ」
瑞樹さんはそのままの歩みで店長の椅子に腰掛ける。あたしもそれに続いて彼の前に立った。
「あー、座っていいよ。てか楽にして」
「じゃあ」
お言葉に甘えて、とあたしは椅子を瑞樹さんの方に引っ張って来て、腰掛ける。
「で、話なんだけど」
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