第26話 ボス部屋?
俺たちは水頭モンスターを倒しながら、ダンジョンを進み続けた。
「かなり奥まで来たな」
「そうデ~スね」
「部屋の様子は全然変わらないけどネ~」
「ここには何もないみたいだな。次の部屋に行こうか」
「うむ、そうだな」
「うわぁぁぁぁぁぁん、同じのばかりで、もう飽きたでやんす! うえぇぇぇぇぇぇん!!」
「いい加減、泣きやめ、酔っ払い!」
扉を開けると、正面に見慣れぬものがあった。
血のように赤く、地獄を表現しているように見える
さらに、その直上には『ポ・ス・の・お・部・屋』とピンク色のかわいい書体で書かれた、巨大な白い壁面看板が取り付けられていた。
「なんだあの看板と扉は? アンバランスすぎるだろ」
「かわいいのか怖いのか、よく分からないデ~ス」
「なんであんなデザインにしたんでしょうネ~?」
「意味不明デェス」
「あの先にボスがいるってことか。さすがはダンジョンだな」
「いや、よく見ろ、シバル。あれは『ボ』ではなく『ポ』だ」
「えっ!? あっ、確かにそうだな!?」
『BO』ではなく『PO』だな。
「じゃあ、あそこはポスのお部屋なのか」
「びえぇぇぇぇぇぇんっ、キッコウ君がなんか
「言ってねぇよ! 黙ってろ、酔っ払い!!」
「ポスって、なんなのだろうか? ボスの書き間違いなのかな?」
「そこは不明だな」
「中を見れば分かることだろッ」
「少し扉を開けて、
「そうだな。やってみよう」
扉に近付いた。
すると、扉の横に、小さくてキレイな泉と、緑色の小さな光の玉のようなものが多数湧き出ている場所があった。
「ん? あれはリスポーンポイントか」
「うむ、そのようだな」
「こんなところにもあるんだな」
「んぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょー、んぴょーんぴょーんぴょーんぴょー」
「『これは死んでも再挑戦しやすいようにしようという、運営の配慮なのかもしれない』と言っているみたいデ~ス」
「ということは、扉の先にいるのは、ダンジョンのボスってことになるわけか」
「んぴょー」
ナワデシバラさんが首を縦に振った。
「そして、ポスというのは書き損じであるということか」
「そうなるんでしょうね」
「だろうな」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ、ということは、それはあれでやんすね!!」
「今度はハイテンションになったか。本当に面倒な酔っ払いだな」
「まったくだぜッ」
「マレル『それはあれ』って、どういうことなんだッ?」
「ボス部屋の前にある泉ということは、回復の泉に違いないということでやんす!!」
「まあ、ゲームなら、その可能性が高いな」
「というわけで、突撃でやんす! 飲み干してやるでやんす!!」
サケニノさんが泉に向かって行った。
「また毒見をしてくれるのか。ありがたい酔っ払いだな」
「んぴょー」
ナワデシバラさんが首を縦に振った。
「いただきますでやんす!!」
サケニノさんが泉の水を飲んだ。
「うまぁぁぁぁぁぁいっ、スッキリ爽快でやんす! 疲れが吹き飛んだでやんす! やはりこれは回復の泉でやんすね!!」
「そうか。良かったな。では、健康診断といこうか」
「健康診断でやんすか!? それはお医者さんごっこということでやんすか!? キッコウ君の変態ドスケベ野郎でやんす!!」
「いいから、ステータスウィンドウを出せ!」
「いや~、変態ウサ耳葉っぱ野郎に、変なことされるでやんす! 聴診器をどこに当てる気でやんすか!?」
「さっさとしろ!!」
なんとかサケニノさんにステータスウィンドウを出させた。
では、見てみるか。
「あ~、今回もダメだったか」
「うむ、健康度がどんどん下がっているな」
「またコメント欄に『危険物が体内に侵入』って、書いてあるわね」
「な、なんだってでやんす!? もしかして、またわたしは
「ああ、そうだなッ」
「間抜けすぎるぜッ」
「うぎゃああああああああああああっ、ひどい、ひどすぎるでやんす!!」
「まあ、確かにひどいな。ゲーマーの先入観を突いた
「んぴょー」
ナワデシバラさんが首を縦に振った。
「くそがぁぁぁっ、こうなったら、ボス部屋に突撃してやるでやんす!」
「えっ!?」
「わたしの生き様、見せてやるでやんす! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
サケニノさんがボス部屋に向かって行った。
「どうするんだ、シバル?」
「そうだなぁ」
「んぴょーんぴょーんぴょーんぴょー」
「『扉の前で様子を見よう』と言っているみたいデェス」
「そうだな。そうしよう」
「頼もうでやんす!!」
サケニノさんが勢いよく扉を開けた。
「
サケニノさんが部屋に入って行った。
「では、俺たちも様子を見ることにしようか」
「うむ、そうしよう」
ここのボスは、どんなヤツなのだろうか?
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