第25話 またまた水筒のダンジョンへ

 またまた水筒のダンジョンにやって来た。


 ここは相変わらず、水筒の中みたいな場所だな。


「うわぁぁぁぁぁぁん、ここを見たら、宝箱が消えた悲しみがよみがえってきたでやんす! うえぇぇぇぇぇぇん!!」


「泣き上戸になったか。面倒な酔っ払いだなぁ」


「びえぇぇぇぇぇぇん、キッコウ君に面倒って言われたでやんす! これは浮気でやんす!! うわぁぁぁぁぁぁん!!」


「なんでそれが浮気になるんだよ!?」


「こうなったら、何を言っても無駄だぜッ」

「さっさと進んだ方が良いぞッ」


「そうだな。では、行こうか」



 扉を開けると、部屋の中央に、水のようなもので作られた豚の頭のようなものが浮いていた。


「あれは見覚えあるな。なんてヤツだっけ?」


「う~む、なんだったか?」

「忘れてしまったわね」


「確かロなんとかだった気がしマ~ス」


「そうだったっけ? まあ、いいか」



「ところで、どうやってあいつを倒すつもりなんだッ?」

「やはり射出物をかわしながら近付いて、ぶん殴るのかッ?」


「ああ、まずはそれができるか試してみようと思う」


「んぴょーんぴょーんぴょー」

「『それなら武器化を使う』と言っているみたいネ~」


「頼むよ」


 俺はナワデシバラさんを装備した。


 ん?

 なんか軽く感じるな。

 レベルが上がったからか。

 俺も成長したもんだな。


「よし、では、行くか」


「うえぇぇぇぇぇぇん、キッコウ君が女の子を持って、変なことをしようとしているでやんす! これは不倫でやんす! びえぇぇぇぇぇぇぇん!!」


「この酔っ払いは、ここに置いて行くか」


「その方が良さそうだなッ」



「ようこそ、諸君ウサ~。我が名は『ヘオラヒサビーア』だウサ~」


「えっ? ヘオラヒサビーア?」


「うむ、その通りだウサ~」


 ロなんとかではなかったのか?


 まあ、いいか。


「君は襲ってくるんだよな?」


「うむ、なぜかそうしなければいけない気がするウサ~。では、ゆくぞウサ~!」


 ヘオラヒサビーアが、小さい水の塊のようなものを次々と撃ち出して来た。


 俺はそれをかわしながら前進して行った。


 そして、ヘオラヒサビーアをナワデシバラさんでぶん殴った。


 ヘオラヒサビーアははじけ飛び、消えていった。


 経験値が2増えていた。



「すごいデ~ス! 大勝利デ~スね!」

「うむ、見事であったぞ、シバル」


「ありがとう。レベル上げとカチューシャのおかげだな」



「ドロップアイテムはないみたいだな」


「そのようだ」


「それじゃあ、次のモンスターを探しに行くか」



「おっ、発見」


 部屋の中央に、水のようなもので作られた人の頭のようなものが浮いていた。


「あいつは『チヂイマダカーグ』だったわよね?」


「ああ、そうだ。よし、倒すか」


「ようこそ、諸君ウサ~。我が名は『ダソユーエシプーデ』だウサ~」


「えっ? チヂイマダカーグではないのか?」


「ダソユーエシプーデだウサ~」


「そうなのか」



「あいつ、チヂイマダカーグではないモンスターなのデ~スか?」


「そうみたいだな」


「ならば、攻撃方法も異なる可能性がある」

「最初は様子を見た方が良いかもしれん」

「気を付けてね」


「ああ、分かったよ」


 ダソユーエシプーデが、小さい水の塊のようなものを次々と撃ち出して来た。


 俺は部屋の内周に沿って走りながら、それらを避けた。


「チヂイマダカーグと攻撃方法は一緒だな」


「うむ、やはりあれはチヂイマダカーグなのではないか?」

「でも、違う名前を名乗ったわよ?」


「どういうことなんだろう? まあ、そんなのどうでもいいか。攻撃しよう」



 俺は攻撃をかわしながら接近し、ナワデシバラソードでぶん殴った。


 ダソユーエシプーデははじけ飛び、消えていった。


 経験値が2増えていた。

 ドロップアイテムは出なかった。


「よし、倒したな」


「うむ、見事であった」


「結局、あいつはチヂイマダカーグだったのデェスか?」


「どうなんだろう? よく分からないな。まあ、とりあえず、先に進むか」



「おっ、いたぞ」


 部屋の中央に、水のようなもので作られた豚の頭のようなものが浮いていた。


「あいつはヘオラヒサビーアだったわネ~」


「ああ、それじゃあ、戦うか」



「ようこそ、諸君ウサ~。我が名は『ヅクダヤブズーゼ』だウサ~」


「はぁ? ヘオラヒサビーアじゃないのか?」


「違うウサ~。ヅクダヤブズーゼだウサ~」


「どういうことだ? ヘオラヒサビーアではないモンスターなのか?」


「そうかもしれん」

「またしばらく様子を見てみろ」

「気を付けてね」


「ああ、分かった」


 ヅクダヤブズーゼが、小さい水の塊のようなものを次々と撃ち出して来た。


 俺はまた部屋の内周に沿って走りながら、それらを避けた。



「ヘオラヒサビーアと攻撃方法は一緒だな」


「これは違う名前を名乗るだけで、すべて同じなのかもしれんな」


「そうみたいだな」


 迷惑なヤツだなぁ。


 まあ、いいか、倒してしまおう。


 俺は攻撃をかわしながら接近し、ナワデシバラソード横一文字斬りを放った。


 ダソユーエシプーデははじけ飛び、消えていった。


 経験値が2増えていた。

 ドロップアイテムは出なかった。


 さて、次のモンスターを探しに行こうか。

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