第13話 脳みそ縛り美女
「う…… んん……」
ん?
酔っ払い美女が、目を覚ましたようだな。
「お~い、お姉さん、大丈夫か?」
「……うぇ? ……全裸の変態がいるでやんすよ」
酔っ払い美女が、そう言った。
「やんす? 酔って、口調までおかしくなったのか? しっかりしろよ」
「違うでやんす。これには聞くも涙、語るも涙の深~い深~い深すぎ~る事情があるんでやんすよ」
「はぁ、それはなんなんだ?」
「聞いてくれるでやんすか、全裸の変態さん!?」
「その呼び方はやめろ!? 俺の名前は
「聞いてくれるでやんすね!? ありがとうでやんす、全裸の変態さん!!」
「そんなこと言ってねぇよ! それに、俺は全裸の変態さんではない!!」
「いや、あるだろ。見事なまでの全裸の変態さんだ」
「ええ、あるわね」
「どう見ても、ありマ~スね」
「んぴょー」
「やかましい! 名前のことを言っているんだよ!!」
「わたしはゲームの縛りプレイが好きで、何度もやっていたでやんす。そしたら、ある日、突然、ここに連れて来られて、縛りプレイを実体験させられているでやんす」
「ああ、やはり同じ境遇の人だったのか」
「予想通りだったわネ~」
「そうだな」
「同じでやんすか!? 本当でやんすか!?」
酔っ払い美女が詰め寄りながら、そう言った。
「あ、ああ、そうだ。それと、酒臭いから離れろ」
「本当に、本当に縛りプレイを実体験しているんでやんすか!?」
酔っ払い女が右手で俺をつかみ、前後に揺さぶりながら、そう言った。
「本当だって! あと、離れろ!」
「うう、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」
酔っ払い美女が泣きながら、俺に抱き着いてきた。
すごく酒臭い。
「おい、どうしたんだ!? やはり縛りプレイで苦労しているのか!? それとも、ただの泣き上戸か!?」
「苦労のせいでもありまッすし、特殊能力のせいでもありまッすね」
聞き覚えのない声が聞こえてきた。
「この声は…… もしかして、この酔っ払いの幽霊か?」
「ああ、そうだぜッ」
「よろしくなッ」
「ああ、よろしくな」
やはりいるのか。
「それで、こいつはどんな縛りプレイをしているんだ?」
「常に酒に酔っている、左腕使用禁止、お金入手禁止、初期所持品なし、
「それと、妙な特殊能力も付けられていまッす」
また俺より厳しい縛りプレイだと!?
こいつにも優しくしてあげよう。
「その特殊能力って、なんなんだ?」
「そいつはステータスウィンドウを見た方が早いぜッ」
「マレル、泣いてないで出せッ」
「気合と熱血でステータスオープンでッす!」
「うう…… ステータスオープンでやんす……」
ステータスウインドウが現れた。
では、見せてもらおうか。
名前:
お酒に飲まれそうな名前だね。
レベル:2
1歩進んだ程度で調子に乗るなよ。精進せよ。
経験値:15
まだまだ足りない。もっと修行しろ。
ちなみに、あと15ためるとレベルアップするでごじゃんすよ。
HP:10/10
多少は持つが、油断はできねぇな……
MP:0/0
あああああああああああああああああああああああっ!! 神に祈れっ!
BP:デカい
何がだ? ちゃんと書けよ。
OP:デカい
またデカいとしか書かれてないぞ? どういうことだ?
攻撃力:3
まだまだまだまだまだまだ弱いな。精進せよ。
防御力:7
悪くはないけど、良くもないな。
酒防御力:0
納得の数値だね。すでに酔ってるからね。
魔法攻撃力:0
酒には強そうだけど、魔法には弱そうだね。
魔法防御力:1
酔っていようと、魔法は気合と根性で避ければ良いのだ!!
魔法酒力:0
魔法の酒は出せません。
素早さ:1
酔っていて、マトモに動けなさそうだな。
酔いが軽い時は2ありそうだ。
酔う素早さ:1000
お前はすでに酔っている。
器用さ:1
酔ってる時に細かい作業? やめておけ。当たり前だろ。
酔いが軽い時は2ありそうだ。
変態力:9999999999999999999999999999999999999999999999999999999
こ、これはひどい…… このままでは捕まってしまいますよ!
筋肉:2
酒を飲んでいる場合ではないぞ! もっと鍛えろ!!
空腹度:56/100
そろそろ食べ物を用意しろ。
口渇度:48/100
何か飲んでおけ。
清潔度:65/100
登山したのと、倒れていたせいで、少々汚れたみたいだな。
健康度:100/100
酔ってるけど、け・ん・こ・う。
酒:100
どういうことだ!? 酒でできているのか!?
つまみ:0
つまみにはならないってことなのか!?
ドスケベ力:299999999999999999
酔ってセクハラする変態のようである。
女性力:9999
酔っているけど高いぞ。
アイドル力:21
酔っ払いアイドルならやれそうですねぇ。
占い:今日の運勢は『酒を避けられない』です!
な、なんて素晴らしいダジャレなんだ!? 0点だな!!!!!
今日のオススメ:山で飲酒昼寝
何か良いことあるかもよ。
次回予告:次回も当然面白いものを……
おい、続きはなんだよ!? ちゃんと書けよ!!
特殊能力
脳みそ縛りプレイ用の酒
体内に特殊なアルコールのようなものが発生する。
常時酔っ払った状態になる。
体から酒の臭いがするようになる。
時々酔いの程度が変わる。
酔いの程度で、ステータスが変動する。
アルコールが発生しても、空腹度、口渇度は変化しない。
酔う以外の健康被害は発生しない。
中毒死もしない。
身に付けた時に自動発動する。
ゲームをクリアするまで解除できない。
酒癖変化
時々酒癖が変化する。
身に付けた時に自動発動する。
ゲームをクリアするまで解除できない。
アルコールシェア
時々能力者の近くにいる敵と認識している者の体内に、特殊なアルコールのようなものが発生する。
発生した場合、その敵は酔っ払った状態になる。
酔う以外の健康被害は発生しない。
中毒死もしない。
身に付けた時に自動発動する。
ゲームをクリアするまで解除できない。
縛りプレイ用の縄(左腕と胴体用)
縄で強制的に縛られる。
左腕と胴体をまとめて縛り上げられるので、左腕を使用できなくなる。
入浴に支障はない。
縛られることによる健康被害は発生しない。
身に付けた時に自動発動する。
ゲームをクリアするまで解除できない。
でやんす付与
語尾に『でやんす』が付くようになる。
身に付けた時に自動発動する。
ゲームをクリアするまで解除できない。
「こ、こんな能力だったのか…… めんどくさそうだな……」
「ああ、めんどくさいぜッ」
「常に酔っ払っているうえに、いろいろな絡み方をしてくるからなッ」
「時々動けなくなるほど酔うこともあるぜッ」
「そ、そうなのか。それはめんどくさいな」
「わたし、めんどくさくないでやんすよ! うわぁぁぁぁぁんっ!!」
そういうところが、めんどくさいと言うんだがなぁ……
これは関わらない方が良いのかな?
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