第10話 力試しよりも

「ナワデシバラさん、ステータスを見せてもらって良いかな?」


「んぴょー」


 ナワデシバラさんが首を縦に振った。


 見ても良いみたいだな。


「それじゃあ、見せてもらうよ。あっ、俺のも見て良いぞ」


「んぴょー」


 ナワデシバラさんが首を縦に振った。



 名前:南和出紫原なわでしばら 麗流れる

 縄で縛られるのが好きなのか!?


 レベル:2(1上昇した)

 こんなもので満足するなよ!


 経験値:10

 まだまだ初心者だな…… もっと経験しろよ。

 ちなみに、あと20ためるとレベルアップするでごじゃんすよ。


 FP:99999999999999999999999999999999999999999999999999999999

 FPって、ファイナルポイントの略なんだ。

 ところで、それってなんなの? 何が最後なの?


 GP:100000000

 『G』に遭遇するかもしれないポイントだと!?

 こ、この数値では遭遇してしまうんじゃないか!?

 殺虫剤を用意しておけ!!


 HP:10/10(5上昇した)

 姉御、油断は禁物ですぜ。


 IP:0

 イカポイント?

 どれだけイカっぽいかってことなのか?


 JP:JJJJJJ

 JJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJし

 ひねくれ者がいるぞ!?


 KP:1

 キーパーポイント?

 守るのが、どれだけうまいかってことか?


 LP:ライフポイントすなわちHPと同じである!!

 なら、表示するな!!!!!


 MP:0/0

 神に祈れっ! まずはそれからだっ!!


 NP:1

 ノースポイント?

 どれだけ北っぽいかってこと?

 意味が分からないよ。


 OP:デカい

 何がデカいんだ?


 攻撃力:3(2上昇した)

 弱いねぇ。武器を買った方が良いよ。


 防御力:7(2上昇した)

 変態的だけど、悪くはないね。変態的だけど。


 魔法攻撃力:0

 残念ながら、魔法とは縁がないようです。


 魔法防御力:1(1上昇した)

 当たったらマズそうだな! 逃げ回るんだ!!


 素早さ:3(1上昇した)

 これは……………………………… 遅めですねぇ。


 器用さ:1

 手が使えないから仕方ないね。


 変態力:9999999999999999999999999999999999999999999999999999999

 な、なんだこの変態力は!? 町に行ったら確実に逮捕されるぞ!!


 筋肉:2(1上昇した)

 筋肉の神のために、もっと鍛えましょう。


 空腹度:80/100

 減ってるようで減ってないぜ。


 口渇度:78/100

 まだまだ渇いてないぜ。


 清潔度:80/100

 汗を少しかいたってくらいぜ。


 健康度:100/100

 けんこー。けーんーこー。


 ドスケベ力:199999999999999999(100000000000000000上昇した)

 う~む、これは結構高い方だな。


 女性力:100000(1上昇した)

 こ、これは相当高いぞ!!


 アイドル力:21(1上昇した)

 特殊なものにならなれそうね。


 占い:今日の運勢は『異性に振り回されちゃう』です!

 恋愛的に? 物理的に?


 今日のオススメ:レベル上げ

 上げておけ。


 次回予告:次回も面白いものをお届けする予定!

 予定は予定です。


 特殊能力の欄は、変化していないようだ。



「ナワデシバラさんのも、妙なものがたくさんあるなぁ」


「んぴょー!」


 ナワデシバラさんが素早く何度も首を縦に振った。


「ドスケベ力だけ、ものすごく上がっているわネ~」

「レルはドスケベなんデェスか?」

「そういえば、たまにシ……」


「んぴょーっ! んぴょーっ!! んぴょーっ!!!」


 ナワデシバラさんが首を激しく横に振った。


 否定するのか。


 なら、このステータスはなんなのだろうか?


 神のイタズラなのだろうか?


 まあ、どうでもいいか。



「では、レベルアップした力を試してみようか」


「んぴょー」


 ナワデシバラさんが首を横に振った。


「えっ? 試さないのか?」


「んぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょー。んぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょー」


 ナワデシバラさんが首を横に振ったあと、上を見た。


「これはどういうことだ?」


「『水と食べ物探しを優先した方が良い。力試しはモンスターが襲ってきた時にやれば良い』と言っている気がしマ~ス」


「んぴょー」


 ナワデシバラさんが首を縦に振った。


 そういう意味だったのか。


 上を見たのは、飲み物を飲み干す姿勢を表現していたのかな?


「ああ、なるほど、空腹度も口渇度も結構減ってたから、早いうちに確保した方が良いってことか」


「んぴょー」


 ナワデシバラさんが首を縦に振った。


「餓死や脱水で死にたくないしな」


「んぴょー」


 ナワデシバラさんが首を縦に振った。


「よし、では、探しに行こうか!」


「んぴょー!」

「了解デ~ス!」



「あっ、そうだ。ドロップアイテムはどうだ?」


「ないみたいね」


「そうか」


 またか。



 草原を歩いていると、茂みの中から紫の球体が飛び出して来た。

 そして、いきなり襲いかかってきた。


「くらいやがれウサ!!」


「うぐっ!?」


 俺は腹部に体当たりをくらった。


 痛すぎる!?


 けど、転倒していない!

 意識がハッキリしている!

 死んでないぞ!


 これはレベルアップのおかげなのか!?


 これなら勝てるかも!!

 いや、勝つ!!!


 よし、反撃だ!!

 いくぞ、紫の球体!!

 覚悟しやがれっ!!!

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