許されたのに続くの!?編
第6話 仲間ができました
「勝てないし、帰れないって、どうすれば良いんだよぉぉぉぉぉっ!?」
「仕方ない。こうなったら、我が手伝ってやろう」
「えっ!?」
「私も手伝うわよ」
「俺もだ」
どうやら全員手伝ってくれるようだ。
「みんな、ありがとう!!」
「構わん」
「いい加減、他の景色を見たいからな」
「まったくだ。もうこのあたりは見飽きたぞ」
「そ、そうか……」
まあ、理由はどうあれ、仲間ができたのはありがたいな。
「ところで、みんなは何ができるんだ?」
「そう言われると、何ができるんだ?」
「よく分からんな」
「そうね」
「ええ……」
「仕方ない、ちょっと調べてみるとするか」
「シバルは、ここで休んでいろ」
「ああ、分かったよ」
では、お言葉に甘えて、ゆっくりするとしようか。
「むむっ、変なニンゲン発見ウサ!」
「えっ!?」
残念ながら、ゆっくりできないようだ。
「突撃ウサ!!」
「ぎゃあああああああああああああああああああっ!!!!!」
「また殺されたのか」
「ああ……」
「急いで調べましょう!」
「うむ、そうだな!」
「ああ、そうしてくれ……」
「帰ったぞ、シバル」
「おかえり。何か分かったか?」
「うむ、いろいろと分かったぞ」
「教えてくれ」
「どうやら我々は、他者から見えないようだ」
「無論、モンスターからもな」
「ああ、俺にも見えないからな」
「それと、物体には触れられないようだ」
攻撃は期待できないのか。
「ただ、声は聞こえるようだ」
「モンスターも反応していたぞ」
「そうなんだ」
ふむ、何かに使えそうな気がするな。
「それから、我々はシバルからあまり離れられないようだ」
「100メートルくらい離れたら、見えない壁のようなものにぶつかって、先に進めなくなったぞ」
「そんな制限があったのか」
「あと、俺たちは分散できないようだな」
「みんな一緒に行動するしかないみたいね」
「報告は以上だ」
「分かったよ。みんな、お疲れ様」
「では、どう戦おうか?」
「我々がシバルの反対側からモンスターに声をかけ、気をそらそう」
「その隙にシバルが接近し、攻撃する」
「そのくらいしかないんじゃないの?」
「確かに、そのくらいしか思い付かないな。じゃあ、それでいこうか」
「うむ」
「では、モンスターを探しに行きましょう」
「ああ、そうしよう」
紫の球体を発見した。
「よし、あいつにしよう」
「では、声をかけてくるぞ」
「ああ、頼むよ」
「おい、そこのモンスター!!」
「俺たちと勝負しやがれ!!」
「むむっ、何者ウサ!?」
「こっちだ、こっち!」
「我々は、ここにいるぞ!」
「な、なんだウサ!? どこにいるウサ!? 出て来いウサ!!」
紫の球体は混乱しているようだ。
いまなら、やれる!
よし、いくぞ、全裸全力シュートをくらいやがれっ!!!
俺は紫の球体に接近し、全力で蹴りを放つ。
振った足に固いものがぶつかり、痛みが走るが、構わず振り抜く。
紫の球体は勢いよく飛んで行った。
「おおっ! やったっ!! やったぞ、みんなっ!!!」
「よくやった!」
「素晴らしい蹴りだったぞ!」
「見事だ!」
「ありがとう、みんなのおかげだよ!!」
「さて、リザルトの確認をしないとな」
「うむ、そうしよう」
「まずは経験値からだな。ステータスオープン」
目の前にステータスウィンドウが現れた。
どのくらいもらえたのかな?
「えっ!? な、なんだと!?」
「どうかしたの?」
「経験値が増えてない!」
「ということは……」
「よくもやってくれたなウサ! 死にやがれウサ!!」
「がはっ!?」
いつの間にか近付いて来ていた紫の球体に、体当たりされた。
目を覚ますと、いつもの場所で、いつものように寝ていた。
もちろん、全裸でだ。
「まさか倒せてなかったとは……」
「私たちはモンスターを甘く見ていたのかもしれないわね」
「そうだな」
「次は、倒せたかどうか、すぐに確認した方が良いのではないか?」
「うむ、その方が良さそうだ」
「攻撃が当たったら、すぐにステータスウィンドウを開くべきだな」
「なるほど。次はそうするか。では、またモンスターを探しに行こう」
また紫の球体を発見した。
「では、みんな頼むぞ」
「うむ」
「任せておけ」
みんながモンスターを挑発し始めた。
紫の球体は気を取られているようだ。
よし、今度こそ倒してやるぞ!
いくぜ、スーパー全裸全力シュートだっ!!!
俺は紫の球体に接近し、思いっ切り蹴り付けた。
紫の球体は勢いよく飛んで行った。
よし、攻撃成功!
ステータスオープン!
経験値は……
「くっ、変化なしか!」
「シバル、追え!」
「畳みかけるんだ!」
「ああ!」
俺はステータスウィンドウを消し、紫の球体を追った。
よし、追い付いた!
もう1回、スーパー全裸全力シュートだっ!!!
「同じ手が2度も通じると思うなウサ!」
紫の球体は蹴りを避けた。
「死にやがれウサ!」
そして、体当たりをしてきた。
いつもの場所で目が覚めた。
もちろん、他もいつも通りだ。
「モンスター強すぎだろっ! こんなの倒せねぇよっ!! 運営、早く修正してくれよぉぉぉぉぉっ!!!!!」
「気持ちは分かるが、落ち着け」
「対策を考えよう」
「そうだな……」
さて、どうするかな?
正直、もう手詰まりな気がするぞ……
「むっ、あれは!?」
「シバル、後ろだ!」
「何か来るわよ!」
えっ!?
な、なんだあれは!?
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