第31話
ということで月曜日がやってきた。
いつもならばもう月曜日かよ……また月曜日からやり直しか……なんて憂鬱な気分になることころだけれど今日はどうも違う。
土日ってこんなに長かったっけ……。
もちろん先週は週の半分も休んでいたからってのもあるけれど、それ以上に明日花のいない土日はやることがなくて色々と困った。
ゲームをしながら時間を潰そうとしても、すぐに飽きるし漫画も一緒だ。
結局、日曜日は夕方から定番の大喜利番組を見てその後に定番の国民的アニメを見て時間を潰すこととなった。
そしてようやく迎えた月曜日『いつもの場所で明日花が待ってるかなぁ。どうかなぁ』なんて思いながら家を出た俺は結局一人で学校にやってきた。
すでに俺の後ろの席には明日花が座っていた。
教室に入った瞬間、たまたまドアの方を見やった明日花と目があったが「はわわっ……」と彼女は顔を背けてしまう。
あぁ……なんか気まずいなぁ……。
別に気まずい理由なんてないはずなんだけど、なんて声をかければ良いのかよくわからん。
なんて困りながら自分の席に座ると「ゆ、祐太郎……体調は大丈夫なのか?」と心配してくれた。
「おう、土日にはすっかり治ってたよ」
「そ、それは良かったぞ……」
「………………」
「………………」
結局それ以上会話が続かずお互いに困っていると「おはよう鎌田くん」と隣の席の吉田が声をかけてくれた。
「お、おう、おはよう」
「昨日は眠れた?」
「え? ま、まあほどほどにな……」
なんでこいつ俺があんま眠れなかったこと知ってんだよ……。
テレパスの使い手か?
少し吉田が怖くなりつつも気まずいところ声をかけてくれたのは嬉しい。
「あ、そうだ三宅さん、今日の放課後は暇?」
と、そこで吉田は後ろの明日花へと顔を向ける。急に声をかけられた明日花は少し驚いたように目を見開いた。
「わ、私か?」
「うん、暇だったら一緒に遊ぼうかなって思って」
「うん……今日の放課後は特に用はないけれど……」
「じゃあ決まりだね」
吉田が明日花を遊びに誘うなんて珍しい。なんて思わないでもなかったが、実際に殺鼠ているのだからそういうこともあるのだろう。
なんて考えながら俺は一限目の教科書を鞄から取り出すのであった。
※ ※ ※
放課後がやってきた。いつもならば明日花と一緒に学校を出るところだけれど、こういう状況なので鞄を持って一人で教室を出て行く。
あぁ……なんだかぽっかりと心に穴が開いたような感じだな。
そういえば今日は吉田と二人で遊ぶんだったっけか?
なんて朝のことを思い出していると「鎌田くん」と誰かが俺を呼ぶ。
振り返るとそこには吉田が立っていた。
「おう、お疲れ。これから明日花と遊ぶんだろ?」
「ううん、遊ばないよ」
「え? でも朝遊ぼうって……」
「だけど、私に用事ができたからなくなったの」
「なるほど……」
「遊べなくなったのまだ三宅さんに言ってないし、今なら三宅さんフリーなんじゃないかな」
「そうか……でも明日花と最近仲のいい先輩に勘違いさせちゃマズいし、誘うのは止めておくよ」
「ああ?」
そんな俺の言葉に吉田さんは冷め切った目で俺を見つめてきた。
こっわ……。
「私、察しの悪い男は嫌いなんだけど……」
「え? どういうことっすか……」
「用事ができたなんて嘘にきまってんじゃん。三宅さんの予定を放課後ギリギリまでキープした上で鎌田くんにパスしたの。あんたサッカー日本代表? 決定力がないってレベルじゃないけど」
吉田さん、なんかキャラが変わってる……。
「だけど明日花と」
「はあ? でも鎌田くんが私に告白する前も後も三宅さんはずっと鎌田くんのそばにいたじゃん」
「でも」
「やれ」
「………………はい」
これは拒否をするという選択肢はないらしい。
「とにかく三宅さんは駅前のカフェの前にいるはずだから、最低限私が遊べなくなったことだけは伝えといて」
そう言って彼女は俺の肩をポンと叩くとどこかへと歩いて行った。
これは……やるしかない。
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