第35話

ビーーーッ



「誠凛、タイムアップです!」



「…………話すことはいくつかあるけど……

その前に…限界ね、交代よ鉄平。」




「なっ!!ちょっと待てよ!もう少しなんだ!それに今抜けたら…「ダメよ!」……!」



「昨年と同じようなことが起きるなら、……恨まれた方がマシよ」



「……リコ…」



「僕も賛成です。僕には兄はいないですけど、守ると言われた時、お兄さんみたいだと思ったし嬉しかったです。だからこの先も守って欲しい。この試合、これ以上この試合で無理して欲しくないです。」



「……黒子」



「あーーもー!じれってぇ!!!あとは任せろってんだよ!

大人しくすっこんでろってんだよ!俺達が約束を破るとでも思ってんのか!!」



「!!!」



「あぁ……そうだな。……あとは頼むぞ。」



「当たりめぇだろ!!いい子にして待ってろ!

ウィンターカップの切符を持って帰ってくらぁ!!」




「あぁ!」




「……木吉先輩、リコさんを恨まないであげてくださいね。

相当、あなたの事を悩まれていたので。」




「!……涙浮かべて言われちゃあな…。」




「……終わってからちゃんと謝って下さいね。

……監督とはいえ、女の方を泣かしてるんですし!」



「なっ!……そーするわ…。……三橋もありがとな。」



「!……はい。……今は、試合見ましょう。みんながウィンターカップの切符、持って帰ってきてくれますから。」

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