第32話

「……三橋さん」





「!……黒子くん。」




「……無理、しちゃいましたね。」





「……もうあの時と同じ思いはしたくないの。

きっかけや内容は違うかもしれないけど、バラバラになったり

楽しいバスケができない事で苦しくなっていく皆を見たくない。


……でも、今言わなくていいのに言っちゃったことにすごく後悔してる……。」




「……三橋さんが皆さんのために言ったこと、気づいてると思います。

短いけれど、今まで一緒に練習したり試合して勝って喜んだりしてきた仲間ですから。


……もうそろそろ行きましょう?皆さん待ってます。」




「……うん……。



……というか……黒子くん、なんでここにいるって分かったの……?」




「……中学生の時、喧嘩を止めきれずに泣いてたのを思い出しまして。」



「……恥ずかし……あの時の覚えてたの……!」



「……とりあえず、今は試合に勝ちましょう。ね?」



「はぐらかされた…」



「行きましょう。」



「……うん。…………黒子くん」




「……?」




「ありがとう。」




「!……いえ。」





""黒子くん、ありがとう!""

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