第43話

初日から数日が経ち、諷璃は小さい子達と遊んでいた。





「かざりおねえちゃん!」



「んー?」



「かざりおねえちゃん、おおきくなったらヒーローになるの?」



「!…ヒーローになれるかわからないけど、なりたいとは思ってるよ?」




「なれなかったら?」




「なれなかったら、かぁ……。その時のこと考えてなかったなぁ。……その時はその時、かな?」



「そのときかんがえてもいいの?」




「……おおきくなって何があるか分からないからね。」



「諷璃ちゃん!!!」



「!」



「子どもたちを中に入れて!!!」



「え?……!脳無……!?どうしてここに……!」




外の砂場で皆と遊んでいると、突然保育園から数メートル離れた住宅街に脳無らしきものが出る。紙雨は応戦しており、大声で諷璃や視都に子供の避難を促す。




「視都先生、警察と近くのヒーロー事務所に要請をお願いします!」



「わかってる!!」



「みんな、部屋の中に入って!!!」



諷璃がおおきくはっきり子供に言うと走って部屋の中へ入っていく。



「みんな入った!?」


「おねえちゃん!ゆーくんが!!!」



「!?遊くん!!」



部屋と砂場のちょうど中間で遊くんが転けて泣いていた。足や腕には擦り傷が付いていた。



「っ!視都先生みんなをお願いします、!!」



「!諷璃さん!!!」

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