第38話

「なりたい?」



「……なりたくない!!だってヒーローになるって!おかーしゃんとやくそくした!」



「そっかー。でもお姉さんはね、ヒーローっていうのは皆を笑顔にさせてあげる人のことをいうと思うんだー。

例えば……オールマイトとか。」



「オールマイト!!」



「うん。でも藍ちゃんはどうだった?笑ってた?」



「……!ううん、泣いてた。」



「……遊くんがヒーローになりたいなら…

皆を笑わせる、笑顔にさせる人にならなくちゃ。

泣かせてばかりのヒーローは、ヒーローになれないとお姉さん思うな。」



「………おれ…ヒーローになれないの?」



「……藍ちゃんに悪いことしちゃったのは分かってもらえるかな。」



「……うん。」



「それがわかれば藍ちゃんもわかってくれると思うし、

遊くん、絶対ヒーローになれるよ。

……よし!お姉さんと藍ちゃんの所へ行こう!!」




「うん!!」




「みんなもお手て洗ってお口グチュグチュして

お姉さんと一緒にお部屋に戻ろうね!」




「「はーい!!」」





「おねーさんいまのやってー!」


「はいはーい!また明日紙ちゃんにきいてからねー」



「えぇ!!けちー!」


「今けちって言ったのだーれーだ!」


「きゃー!おねえさんおっかけてきた!」


「にげろー!」


手を洗い終えた小さい子たち皆が笑いながら走って自分たちの部屋へと入っていった。



「……!……遊くんも入っといで!

藍ちゃんも紙ちゃん先生も呼んでくるから。

頑張って謝ろ?おねえさんも一緒にいてあげるから、ね?」


「……うん」

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