第22話

「!」



「そんな簡単に覆るわけねぇよ。ただ あの時一瞬は、お前を忘れた。」



「!!!」



「それが良いのか悪ぃのか正しい事なのか…

少し…考える。ーーーーーー行こう、七雲。」




「!……は、はい」


「(……七雲?…………彼女はたしか……)」














「悪ぃな、話に付き合わせて。」



「ううん。……時間、ないから簡単に治療するね。


『コンフォルト=リフレイン』」



「!」



轟に連れられて決勝の控え室へと入る諷璃。切り傷や凍傷している箇所を見ると、そこから手をかざして雨のようなものを降らせ始める。するとみるみる傷が癒え、そこにあった数々の傷が消えていた。




「……傷とか凍傷とか無くなったはずだけど……どう?」



「……あぁ、だいぶ身体も楽になった。痛くもねぇ。


……この力って……」



「私の個性の種類の1つ……『雨』を利用したもの。

今のは『癒しの雨』といったところかな?


……さて、私も出久の所へ手当しにいk…。……轟くん?」



「……………………」



諷璃が傷がないのを確認し、その場を離れて緑谷の元へと行こうと立った時だった。轟が腕を掴んで諷璃が立つのを止めていた。




「……もう少しいようか?」



「……いや、大丈夫だ。ありがとな」



「…どういたしまして!…じゃあ行くね、決勝頑張って」





轟が「わりぃ」と手を離したのを見て、軽く礼をすると控え室を出る。





「……俺は何考えてるんだ……」

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