イデアの境界線 Abgrenzung der Idee
命の波が打ち寄せられた
世界を別かつ事象の河に相対し
一人の少年と少女が立っていた
dieses Ufer und das andere Ufer
Die Silberwelt, die angeschwemmt wurde
Die Wellen des Lebens hörten auf
(此岸と彼岸、打ち寄せられた銀世界。命の波が和らいだ)
嗚呼、愛なるEを迎えに行こうか。僕らが出逢った日にこの裁きを受けようぞ。だが、言葉を秘する想いもいつかは、揺蕩うように水に流れて、流れ流れて死にゆくのだろう。
全知全能の標識として、七色を象る花柄のクリスタルは、時流を対峙させ、映す。その光は、人生の美妙な謎そのものであった。
少年は少女のもとへと橋を架ける。渡し船は年老いた水夫。夢叶う時、審判の時。宿命を転遷させよ、似もせずに。だからと悟るのも、眠るのも、愚かであろうな、この言葉。
ジ・エンド。ロストキャンバスには描かれなかった唯一の民らは、この世の果てに居を構え、楽園輪廻に一人の男が、自らを水と空の縁理に触れる愛を為す。
小さき者よ、愛を為せ。
さもなくば意味ない人生だ。
理由などない人生だ。
だから生きるのだ。
晴れたのはある春の昼下り。
緩やかな生命の営みの中で、わたしたちは君たちの夢に溶け込むのを心より喜んでいる。
この光景だ、この世界だ。
私は今、生まれてきたことを心より喜んでいる。
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