第14話

深……澤さんっ。



『うん!!私まだ生きてたい!!深澤さんと一緒に生きていきたい!!』


「ああ!!……って、ええ!?ちょっ!?えあ!?」


『わぁあっ!?しっかり前見て!!今死ぬよ!!ここで死ぬことになるよ!?』



私のドサクサに紛れた告白にビックリした深澤さんは、猛スピードを出しながら私を凝視し……


危うく曲がりカーブを曲がりきれず壁に激突するところだった!!



危ない!!



「ごめん!!続きをすっっごく聞きたいけど後で!!美希ちゃん!!」


『はい?』


「寒くない!?大丈夫!?」


『大丈夫』



深澤さんの体温で熱いくらいだ。


まぁ、しいて言えばジャンパーから出ている顔は寒い。


ヌイグルミなのに。


そんなことを思っていたら、大きな手がヌイグルミの顔に触れる。



「もう少しだからね」



手袋もしていない手は氷のように冷たい。


なのに、私のことしか心配していないのだ、この人は。


私が人間なら温めてあげれるのにっ。



アパートに着くと深澤さんは自転車を放り投げるように下りた。



自転車ーっ!!



そしてエレベーターもあるけれど、待っていられないと非常階段で三階まで。



速い!!


自転車を漕ぐ速度も半端なかったけど、走るのも速い!!


階段なんて3段くらい飛ばして上がっていく。



アッという間に着いた三階の角部屋。


それが私の部屋だ。



でもここで大問題。


私、一人暮らしだからちゃんとしっかり……



鍵掛けてました。



「鍵ー!!」


『落ち着いて!!深澤さんの家の鍵じゃ開かないから!!』

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