急げ!!

第13話

「なぁんでそんな大変なことを早く言わないの!!」


『!!??』



深澤さんがオネェさんに!?


オネェさんになったんだけど!?



ヌイグルミが私だと、すぐに信じてくれた深澤さんにヌイグルミに入る前、何があったかを話したら……


般若のような表情になり、オネェさんになりました。



『深澤さん……?』


「だっ!?うぉっ!?」



ベッドに座っていた深澤さんが転がり落ちる。


けれど素早く立ち上がるとジャンパーを羽織り



「行くよ!!」



と言った。



行く?



キョトンと首を傾げた私を「あー、もう!!」なんて叫びながら抱き上げ、ジャンパーのチャックを少し下げそこにスポッといれる。


私は深澤さんの胸元からひょっこり顔を出した状態に。


二人羽織状態?


温かい。


良い匂い。


私、めちゃめちゃ深澤さんに包まれてる!!


はわぁー!!



なんて私がウハウハしてる間に、深澤さんは玄関に立て掛けてあった折りたたみ自転車を持つと外へ。



『深澤さん、鍵っ、鍵忘れてる!!』


「あー!!」



鍵をきちんと掛け、自転車に跨がった深澤さんは



「で!?」


『で?』


「家!!何処か教えて!!」



え?


家って、うち!?



「早く!!」


『はいっ』



深澤さんの剣幕に圧され、住所を言うと、自転車は弾丸の如く走り出した。



「大丈夫。大丈夫だよ、美希ちゃんは死んでなんかいない!!」


『っっ』



























「君は、俺が助ける!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る