episode3 凛太郎


上野 凛太郎

身長168cmのB型

好きな物は、肉とゲーム!


「とおさーん、今年の夫婦の旅行は

いつ行くんだよ」


「凛太郎の修学旅行が終わってからだなあ」


今年はパリに行きたいわと

母さんが呟く。


うちの両親は毎年、夫婦で毎年旅行に

行くのが習慣になっている。

兄の、雄一郎(ゆういちろう)と

俺をおいて。いまだにラブラブってやつだ。


おえーと、思いながら

風呂にはいる。


浴槽に浸かりながらふと思い出した

「悠介の父さんって…」

何度か家に行って挨拶をしたことがあるが

とくに喋るわけでもなく

新聞をずっと読んで寡黙な父さんだなと

思ったことがある。


金曜に家にいたところを

俺は見たことがない。

子供ながらに、不自然な気持ちだった。

金曜は次の日学校もなく

子供と遊んだり夜更かししたり

まあ、俺の両親と比べてはいけないのだが。


そんなもんだと勝手にその頃は思っていた。


小学5年のとき。


悠介の両親は離婚した。


俺は、悠介の笑顔が見れなくなるのが嫌で

無理やりにでもふざけて

なるべく一緒にいてって子供ながらに

不器用に悠介のそばに居た。


でも、悠介はいつもと変わらなかった。

弱いところなんて見たこともなかった。


母さんに言われたことがある。

「凛太郎は凛太郎らしくいつもと変わらず

そのままで悠介くんと一緒にいなさい」

と、言われたことがある。


その時はうまく理解できてなかったが

俺は悠介に気を使うこともなく

接してきた。

悠介の父さんの話はしなかった。

しちゃいけないって思ってた。


とにかく、悠介が

笑顔でいれれるように。


それだけを考えた。


思い立ったら即行動!

「もしもし?悠介?なにしてた?」


昔のことを思い出して

なぜだか悠介の声が聞きたくなって

電話してた。

うしろで母さんが、こんな時間にーとか

ブツブツ言ってるのを無視して

元気かなとかなにしてんだろとか

兎に角、気になった。


「おう!じゃあ明日12時に行くよ!」


明日は日曜日。

悠介の家にいくことになった。


その時は、あんなことが起きるなんて

思ってもいなかったんだ。

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