寂し

猫舌サツキ★

日常を綴る短歌

【日常のコドクの歌】


 昼時や


 秋雨打たれ


 歌う木々


 弁当を前


 今日も一人か




【解説】


 大学で、弁当食べてたら思いつきました。うちの大学、食堂の窓が大きくてですね、木々がよく見えるんですよ。目の前で秋雨がしとしとと降っていて、その雨粒が木々の葉っぱを打っているんです。その光景を見たときに、「歌っているなぁ」と思ったのが、短歌の基になりました。季語は、秋雨です。


 下の句では、周囲の学生たちがグループを作ってワイワイお昼を食べているのに、自分は一人で座って、こうやって短歌でも考えて食べているのか……という寂しさと、対比の美しさ、虚しさを歌っています。



【自らの弱さの歌】


蜘蛛の糸


掴むその手は


弱弱し


秋風に震え


折れゆくさだめ




【解説】


 蜘蛛の糸って細いですよね。ただ、自分の手も、それに負けないぐらい細く、弱弱しいという様子を歌った短歌です。


 これは、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』からインスピレーションを得ています。あの短い物語の結末、知ってますか?調べると出てきます。それを知ると、この短歌の奥深さ……(笑)が分かるかもしれません。



 蜘蛛の巣も、その主の蜘蛛も、秋風を受け続けて、冬になることには姿を消してしまいます。そして、蜘蛛の糸をつかむような、こんな弱い自分は……いったい、どんな結末を迎えてしまうのでしょうか。



【叶わぬ恋の歌】


恋文を


送りたい君


夢の中


あけぼのに溶け


姿消えゆく




【解説】


 恋、素晴らしいですね。筆者もよくしますよ、恋。しかし、筆者の場合、そういう恋心は、全て妄想の中の女性に向けられるのです。好きだけど、手紙を書こうにも書けないし、届かない。朝方の明るさと一緒に、その人たちが消えていってしまうという儚さを綴りました。


 想像上の彼女に恋するのも、悪くありませんね。ただ、永遠に叶うことはありませんが(笑)



 季語?知らない子ですね。



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寂し 猫舌サツキ★ @NekoZita08182

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