第1章・目覚め 2ー①

「おい、大丈夫か?!エドガー」


「大丈夫、だよ」


「いや、大丈夫じゃないだろう。まともに歩けてないじゃないか」


ヴェンデルが誘ってくれた店の食事があまりにも美味しくて、つい「料理に合う酒を」と店員の勧めるまま、飲み過ぎてしまった。

エドガーは酒に弱かったので、普段は食前酒以外、殆ど飲まない。

なのに、その時は妙に気分が高揚してしまい、ワインを三杯も飲んでしまった。

そしてこの失態だ。

まともに歩けなくなったエドガーは、ヴェンデルに肩を借りて、何とか店を出た。


殆ど体格の変わらない男を支えるのには難儀し、結局、仕方なく近くの宿屋へと入る。

店主の力を借りて、何とかエドガーをベッドへと寝かし付けた。


「エドガーが酒に弱い事は知っていたのに、私も止めるべきだった。すまない」


「ヴェンデルは、悪くない、だろ。俺が自分の限界を、分かってなかっただけで……」


「いや。罪深いのは、あわよくばこうして一緒に夜を過ごせるんじゃないかという、打算があったからだ。だから、止められなかった」


ヴェンデルは何を言っているのだろう。

アルコールに冒された脳では、その言葉を理解出来なかった。


ヴェンデルの熱い手が、エドガーの頬に触れる。

何かに憑かれたかのような、熱い目線が向けられ、その口は何かを語っている。

だが、エドガーはその半分も聞き取れなかった。


「エドガー……、……てる……」


「……今、なんて……」


「……てるんだ。……よりも、……ただろう?」


肝心な部分が聞き取れない。

「息苦しい」と言うと、ヴェンデルが胸元を開いてくれた。

たったそれだけの事なのに、かなりの開放感を感じた。


誰かに、肌を触れられているような感覚がある。

全身を弄られ、ビクリと体を震わせると、そこを念入りに撫で回された。

それは『撫でる』と言っても『愛撫』に等しい濃密さがあった。

チュッ、チュッ、と啄むような音が聞こえたり、濡れた何かが触れるような感触もある。


どれ程の時間が経っただろう。

性感を煽られるような感覚が続いて、気が付けば己の股間に生暖かいものが纏わりつくような体感があった。

自慰では得られないような生々しさに、思わず腰を揺らしてしまう。

凄まじい快感が湧き上がり、爆発する。

何度も何度も腰を突き上げるようにして、長い絶頂が続いた。


全てを出し尽くした後、下半身を持ち上げられるようにして足を開かされ、奥の部分である尻の谷間に違和感を覚える。

慣れない感触に逃げるように腰を捩らせた。

だが、それを許すまいと、何かが一気に押し入って来る。

そうしてそこを何度も刺激され、ついには気絶するようにして快楽堕ちした。

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