第12話
運んで、下ろしてくれたのは脱衣所らしきところの前。ドアの隙間からは明かりが漏れている。
その柔い明かりが爪先に当たっているのを見つめながら現状の把握に頭を動かし始めたとき、自分の服裾に手を掛け、脱ごうとした彼が見えて。
反射的に、鳩尾目がけて拳を飛ばしてしまった。
「……ッ!?」
拳は華麗にヒット。
彼が身体を曲げたのを見計らって脱衣所のドアを開け、中へ逃げ込む。
躊躇なく服を脱ぎ捨てる。
浴室への扉を開けて駆け込む。
と、目の前に広がったのは銭湯よりも広い浴槽。
「ひろ……い」
真っ裸の声が、湯気の中にこだました。
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