第6話
五センチから十センチほどに変わる隙間。
物凄い眉間の皺も披露され、固まる私。
それでも釘付けになったのは、銀河みたいに深い銀色をした髪と朱い眸で。
恐らく一般的なサイズのマスクが大きく見えるくらい整った小顔をしている彼。
「……汚ぇんだよ」
「ほ」
罵倒は続き、言葉が出てこなかった。声は出たけど。
何と反応したらいいのか分からず言葉にならなかった。
「臭いし汚いしキモイ。最悪。兎に角キモイ」
兎に角キモイ。
な、泣きそうだ。
「帰れ」
「エ」
「それは」と言い掛けたところで、目の前、重そうなドアは大きな音を立てて閉じられた。
私、ほとエとそれはしか言っていない。何という一方的な。しかも本気で閉め出されてしまった様。
だって今、思い切り鍵掛ける音……。うん、やっぱり、怪しかったかな。臭いみたいだし、汚いし、キモイしね。
ごめんなさい……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます