第5話

授業の合間の休み時間に梨花の所に行っていた俺は、そこで丁度チャイムが鳴ったことで手をヒラヒラと振って、梨花の方には振り返らずに立ち去る。



梨花はきっと、俺が怒ったと思うはず。




ま、たまにはこのくらいしないとね。

前に進めないだろ?













「一緒に帰ってもいいか、な」



やっぱり怒ってると思い込んでいるのか、帰り、梨花は不安げな表情を浮かべて迎えに来た。




「ん」





最近はもうすっかり冬も濃くなって、日が暮れる時間はとっくに早くなった。


辺りは夕暮れに包まれている。



一緒には歩くものの、俺たちの間に流れるのは重い沈黙。

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