第4話

「他?ええと、他には…キスしたりとか?って、あ゛!?」


しまったと言わんばかりに真っ赤になって口を押さえ、しゃがみこむ。




「え?聞こえなかった…。もう1回言って?」




笑いを堪えながら俺もしゃがみこんで、梨花の顔を覗く。



「な、なんでもない…よ…」


まったく繰り返す気なしで、顔を隠す。




「……」



「?」


急に黙り込む俺が気になったのか、ゆっくりと顔をあげた。




「あ、そ」



「え?」




「じゃあいい」




「え、ちょ」


聞いてくれないの?と、梨花は寂しがる子犬のような顔をした。

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