第19話

嘘、だと思う?



嫌いな時くらい普通あるでしょって、思う?




――――なかったよ。




喧嘩して怒って、傷付くことはあっても、それでも亜子の姿は愛おしく見えた。


面倒見のいい性格、毛先だけたまにハネている真っ直ぐな髪。


まだ、身長は追い越せそうで追い越せないけど。



ずっと、颯とは違う想いがあった。



何でだろうな?




だから、ずっとそういう想いを気付かず持っていたから、伝えられなかったのかもしれない。



だから、今まで大事なことに気づかなかった。





今度は俺が守りたい。


ずっと、守ってやりたい。



ずっと好きだから。






家に着いた俺はただいまも言わずに、二階の自分の部屋にあがって携帯を握り締めた。




怖い。




けど。


ほんと、好き。



めちゃくちゃ好き。





一生大事にするから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る