第18話
「ヤメロ」
ぐいっと俺の額を手で押して、顔を顰める颯。
「颯も絶対実るから頑張れよ?」
「…言われなくても」
颯は黄色い声援を押し切るように、フンッと笑った。
相変わらず、Sだけど。
相変わらず、モテるけど。
勇気、貰った。
「さんきゅ」
「ん。家帰ったら、良い結果しか聞かねーから」
「…ん」
何か、それだけで言える気がする。俺は、下校のチャイムが鳴ると同時に走り出した。
――生まれて。
目を開けて、初めて会って。
それで、ここまで好きになった。
『双子だ』そう騒がれるのが嫌で泣くと
『いいなあ、双子!』って、いっつもさりげなく慰めに来た。
颯と喧嘩したらいつだって
『はい仲直りしよ』って、無理矢理にでも握手させられた。
嫌いなときなんてなかった。
「好き」が当たり前だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます