弟みたい

第14話

あたしがどんな気持ちであろうが、必ず朝はくる。



「…普通にしなきゃ」




夢かも…なんて、甘い考えは起こさない。


夢じゃない。



心が傷を負ったから。




昨日のことは忘れて、これからも楓のことは“弟”として見ていく。



「……」




楓に、好きな人ができたんだって言われても。


他の女の子を紹介してきても。



一生大切にしたいんだって笑ってきても。




絶対。




泣かない。





ガチャ


「いってきまーす」


「いってらっしゃい」




いつも通りの朝。

いつも通りの風景。



昨日と違うのは、ただ、あたしの心が寂しいと泣いているだけ。

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