第7話

亜子は、俺がどんな想いで自分を見てるかなんて気付きもしないで先に前へ進んで行く。



いつも、そうだよ。



俺にはまだ、“しょうがない”って笑うことも、“そんなの気にしない”って端から余裕な顔をすることも、出来ない。



余裕なんてねぇよ。





亜子はまだ振り向かない。



…振り向こうとしない。





「…スカート短かいし」





嫉妬心。


やきもち。




そんな想いが、いつもある。





でも言わない。


ってか言えない。



言って、どうなんの?


何か変わるの?





――…そんな苛つきが、自分自身を傷つけることになるなんて…思いもしなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る